なぜ復習メインで勉強すべきなのか

看護師は復習メインで勉強を進める必要があります。心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」によると、人間は学習した内容の56%を1時間で忘れてしまうとされています。さらに、1日後には74%、1週間後には77%、1ヶ月後には79%もの内容を忘れてしまいます。当然個人差はあるものの、多くの人がすぐに半分以上のことを忘れてしまうのです。記憶に定着させるためには、繰り返し学習する必要があります。だからこそ復習が重要であり、次からの勤務にも活かしていく姿勢が求められます。勉強と経験を同時に積み、その内容を復習していかなければ本当の意味でスキルを身につけることはできないのです。
例えば、学生時代に実習で覚えた疾患やそれに伴う対処法は忘れることがありません。これは、学生時代に繰り返し勉強と復習を行ったからです。逆にいえば、事前学習で資料をコピーしただけの内容はあまり覚えていない人が多いでしょう。このように、多くの看護師が実感として復習の重要度を理解できるはずです。予習も必要ですが、復習を必ず行い看護師としてスキルアップしていきましょう。
復習する際のポイント

復習する際に重要なのが、ルールを決めることです。具体例として、自分が受け持つ患者について復習するケースを紹介します。看護師は複数の患者を受け持つことになりますが、全ての患者の情報を一気に覚えるのは困難です。1日の中でできることも限られているので、最初は3人分だけ覚えるというルールを決めましょう。加えて、新しく勉強する内容も3つのみと決めます。項目については、「疾患」「治療法」「必要とされるケア」「アセスメント」などに分けてください。事前に決めたルールの中で毎日復習を行うことで、記憶に定着していきます。
また、職場に置いてある書籍を有効活用してください。職場に置いてある書籍は、業務に必要だからこそ購入したものです。参考になる情報が必ず書かれているため、これを使わない手はありません。自分で好きな書籍を選んで購入しても構いませんが、すでに職場にあるものなら費用がかからずに済みます。必要な個所だけコピーして自宅で復習する際に使うのもいいでしょう。記憶に定着させるために、自分の言葉でノートに書き移す方法も有効です。こういった工夫を重ねながら、より効率的に勉強を進めていきましょう。